希望 · 抜粋
希望とは羽のあるもの。 魂の中にとまり、 言葉のない調べを歌い、 決してやめることがない。
希望とは羽のあるもの。 魂の中にとまり、 言葉のない調べを歌い、 決してやめることがない。
古い国から来た旅人に会った。 彼は言った。胴のない巨大な石の脚が二本、 砂漠に立っている。そのそばの砂には 砕けた顔が半ば埋まり、そのしかめた額と しわの寄った唇、冷たく命じるような嘲りは、 彫刻家がその激情をよく読み取ったことを語る…
空に虹を見つけると 私の胸は躍る。 生まれたときもそうだった。 大人になった今もそうだ。 老いたときもそうであってほしい。 そうでなければ死んだほうがよい。 子どもは大人の父である。 私の一日一日が 自然への敬いで結ばれていてほしい。
音楽は、優しい声が消えても、 記憶の中で響いている。 香りは、甘いスミレがしおれても、 それが呼び覚ました感覚の中に生きている。 薔薇が枯れると、その花びらは 愛しい人の寝床に重ねられる。 だから、あなたが去ったあとも、あなたへの思…
誠実な二つの心が結ばれることに 妨げがあるなどと言うまい。愛とは 変化に出会って変わるものでも、 相手が去ればともに去るものでもない。 いや、愛は揺るがぬ道しるべ。 嵐を見つめても決して倒れない。 さまよう船を導く星であり、 高さは…
谷や丘の上を高く漂う 雲のように、私は一人さまよった。 そのとき、ふいに群れが見えた。 金色の水仙が一面に咲いていた。 湖のほとり、木々の下で、 そよ風に揺れながら踊っていた。
輝く星よ、あなたのように変わらずにいられたら。 だが、夜空高く孤独な光となって掛かり、 永遠にまぶたを開いて見張るのではなく、 自然の、忍耐強く眠らない隠者のようにではなく。
夕べの鐘が去りゆく一日を弔い、 鳴く牛の群れが野をゆっくり進む。 農夫は疲れた足取りで家路につき、 世界には闇と私だけが残る。 かすかな景色が目の前から消え、 あたりの空気は厳かな静けさに包まれる。 甲虫が羽音を立てて飛ぶところと、…
霧と実りの季節よ。 熟してゆく太陽の親しい友よ。 二人で相談し、わらぶきの軒に絡むブドウを どう実らせるか決める。 苔むした家のリンゴの枝をたわませ、 すべての果実を芯まで熟させる。 カボチャを太らせ、ハシバミの殻を 甘い実で満たし、…
あなたを夏の一日にたとえようか。 あなたはもっと美しく、もっと穏やかだ。 荒い風は五月の愛らしいつぼみを揺らし、 夏に貸し与えられた日々はあまりに短い。
彼女は美の中を歩む。雲のない 星空の夜のように。 暗さと明るさの最もよいものが その姿と瞳に集まり、 やわらかな光へと和らいでいる。 天がまばゆい昼には与えない光に。
ああ、私の愛は赤い、赤い薔薇のよう。 六月に咲いたばかりの薔薇のよう。 ああ、私の愛は旋律のよう。 調べを整えて甘く奏でられる旋律のよう。
できるうちに薔薇のつぼみを摘みなさい。 老いた時は、今も飛び去ってゆく。 今日ほほえんでいるこの花も、 明日にはしおれてゆくだろう。
私は死のために立ち止まれなかった。 すると死が親切にも私のために止まった。 馬車には私たち二人と 不滅だけが乗っていた。 馬車はゆっくり進み、死は急がなかった。 私も仕事と 余暇のどちらも置いてきた。 その礼儀に応えるために。
雨があたり一面に降っている。 野原にも木にも降っている。 ここにある傘にも降り、 海に浮かぶ船にも降る。